Yoshida sold his watch.
みなさん、こんにちは。関口(せきぐち)です。 「足元(あしもと、足下、足許)を見(み)る」みなさんは、この言(い)い方(かた)を知(し)っていますか? 今日(きょう)のポッドキャストは、足元を見る、についてです。 まず、足元とは、足(あし)の下(した)のほうのことです。靴(くつ)のあたりのことです。 または、足の下のほうの地面(じめん)のことです。 では、足元を見る、とはどういう意味(いみ)でしょうか? 例(たと)えば… 私(わたし)は何(なに)かを踏(ふ)んだようだ。 柔(やわ)らかいものを踏(ふ)んだようだ。 私はゆっくりと頭(あたま)を下(した)に向(む)けた。 私は足元を見た。 私は犬(いぬ)のフンを踏(ふ)んだようだ。 私は絶望(ぜつぼう)した。 この場合(ばあい)、足元を見るとは、単純(たんじゅん)に足の下の方を見る、という意味です。 しかし、足元を見る、にはもうひとつ特別(とくべつ)な意味があります。 それは、相手(あいて)の弱(よわ)みにつけこむこと、です。誰(だれ)かの弱点(じゃくてん)を利用(りよう)することですね。 人の弱点を見つけて、それを利用することです。 足元を見るは、まだ車(くるま)や飛行機(ひこうき)が無(な)い時代(じだい)の旅館(りょかん)での出来事(できごと)がもとになっています。 昔(むかし)は車も飛行機もありませんでした。人々(ひとびと)は歩(ある)いて旅(たび)をしました。 旅館の人は、旅をしてきた人の足元を見ます。 歩(ある)き方(かた)が疲(つか)れているかどうかを見ます。 もしこの旅をしている客が疲(つか)れているようなら、旅館の人は普通(ふつう)より高(たか)い値段(ねだん)を客に言(い)います。 疲れているなら、はやく休(やす)みたいはずだと考(かんが)えているのです。 疲れているなら、高い値段でも客(きゃく)は納得(なっとく)するはずだと考えているのです。 足元を見る、はここから来(き)ているのです。 この旅館の人は実際(じっさい)に客の足の下の方を見ています。 しかし、弱みにつけこんでそれを利用するという意味での「足元を見る」は、実際に足の下の方を見る必要(ひつよう)はありません。 ここで吉田さんに登場(とうじょう)してもらいましょう。 吉田さんは休みの日(ひ)に電車(でんしゃ)に乗(の)って遠(とお)くへ行(い)きました。 吉田さんは都会(とかい)の生活(せいかつ)に疲(つか)れているので、田舎(いなか)に行(い)って気分(きぶん)をリフレッシュしました。 吉田さんが東京(とうきょう)に帰(かえ)ろうとしたとき、吉田さんは恐(おそ)ろしいことに気(き)づきました。 財布(さいふ)を落(お)としてしまったようです。キャッシュカードもクレジットカードも財布に入(はい)っていました。吉田さんは1円(いちえん)も持(も)っていません。 これでは電車に乗ることはできません。電車に乗って遠くに来たので、ここには友達(ともだち)も知り合い(しりあい)もいません。 「さぁ、困(こま)ったぞ。お金(かね)はないし、お腹(なか)もすいてきた。そろそろ電車にのらないと明日(あした)の仕事(しごと)に間(ま)に合(あ)わない。参(まい)ったな。」 吉田さんがあたりを見回(みまわ)すと質屋(しちや)がありました。吉田さんは質屋で腕時計(うでどけい)を売ることにしました。 「仕方(しかた)ない、この時計(とけい)を売(う)ろう。最低(さいてい)でも5万円(ごまんえん)くらいで売(う)れるだろう。」 吉田さんは質屋に入り、時計を買(か)い取(と)ってほしいと言(い)いました。 質屋の主人(しゅじん)は時計を見ながらこう思(おも)いました。 「どれどれ、これはなかなかいい時計だ。傷(きず)も無(な)いし、本物(ほんもの)だ。偽物(にせもの)じゃない。そうだなぁ、5万円で買(か)っても損(そん)はないだろう。おっと、待(ま)てよ。この客、都会の人間(にんげん)って感(かん)じがするぞ。この辺(あた)りの人間(にんげん)じゃなさそうだ。東京から来たみたいだな。今日は休みなので、田舎にリフレッシュに来ました、って顔(かお)をしてるな。なんでまた、東京の人がこんな田舎で時計を売るんだ?貧乏(びんぼう)だから時計を売るって感じではない。なるほど、だいたい分(わ)かったぞ。この客は財布を落としたとか、そういう感じだな。田舎にリフレッシュに来て、財布を落としました、か。間抜(まぬ)けな男(おとこ)だ。この客(きゃく)、腹(はら)を空(す)かせた犬(いぬ)みたいな情(なさ)けない目(め)をしてるな。困(こま)ってるようだな。間違(まちが)いない。よし、足元を見てやろう。」 質屋の主人は吉田さんにこう言いました。 「お客さん、そうですねぇ、うちの店では1万円(いちまんえん)が精一杯(せいいっぱい)です。」 吉田さんは足元を見られてしまいました。しかし、東京に帰(かえ)るためにはこの時計を売るしかないので仕方なく時計を売りました。それではまた。 ↓ MP3 Download ↓ 「yoshida_sold_his_watch..mp3」をダウンロード

